バイクのエンジンオイル交換。エンジンオイルといえば、エンジンをスムーズに動かすためのもの。と思われがちだが、その他にもさまざまな効果がある。
エンジン内ではピストンやシリンダー、クランクシャフトの部品が相互に高速で動くため、その金属同士の摩擦を減らし滑らかにする働きがあるのだ。その次に、洗浄作用。エンジンの内部は爆発運動や回転運動による、鉄粉やすすなどの汚れが溜まる。その汚れを取り込むためエンジンが真っ黒になるのだが、限界があるので定期的にオイルを交換する必要ある。その他にも、シリンダーの気密を保つ密封作用やエンジンの熱を放熱するための冷却作用、エンジン内部の防錆作用がある。このようにエンジンオイルは多くの役割を担っているため、エンジンオイルの性能が落ちるとバイクの故障つながってしまうのだ。
必要なもの
工具やトルクレンチ。簡単にオイルを抜いて入れるだけなら、サイズの合うレンチ1つでできるのだが、エンジンについているボルトを扱うのでトルクレンチがおすすめ。
オイルパンについている大きめのボルト、ドレンボルト。締めつけによるオイルパンの破損だと、工賃含めて2,3万円程修理にかかるので、無駄な出費は避けたい。素人感覚でボルト締めすぎると、エンジン側に破損がおきたり、逆に緩すぎるとボルトが外れオイル漏れをおこしたりする。トルクレンチはトルクという力の必要具合を確認しながら、ボルトを締めつけられる工具だ。オイル交換にはトルクレンチを利用しよう。
交換用のエンジンオイルにも種類がある。モノによって乗り心地も変わってくるのだが、交換時する度に使用感を確認し、自分の好きなものをみつけたい。最初はメーカー純製のオイルを使ってみると良いだろう。オイルの量に関しては、エンジンに直接書いてある場合やなければ車種をネットで検索して調べられる。
忘れてはいけないのは、ドレンワッシャーの交換だ。ドレンボルトについているワッシャーのことで、ボルトを締めつけると潰れてエンジンとの隙間を密閉する役割を果たしている。1度使ったものは前の跡がついているため、再利用するとオイル漏れの原因になるのだ。オイル交換時にこちらも交換しよう。
オイルフィルターの交換も必要だ。エンジン内の汚れをろ過してくれる役割がある。エンジン内のオイルを綺麗に保つため必要な部分だ。オイルフィルターはどのメーカーのものでも構わないが、マグネットが内装してあり、金属のろ過をさらに良くするものもあったりする。
流れ
エンジンを抜けやすくするため、オイルを熱する必要がある。エンジンを3~5分アイドリングしよう。作業に入る時にはオイルの熱で火傷をしないように気をつけてほしい。オイルパットや廃油処理箱のポイパックをエンジン下に配置し、オイルを抜くためのドレンボルトを外す。もしこの時、ドレンボルトが箱の中に落ちても、あとで回収しよう。無理して取ろうとするとオイルで火傷してしまう。次にフィルターレンチを緩める。残っていたオイルも外にだそう。購入したオイルフィルターを取り付ける前に、ガスケット部分にオイルを軽く塗り気密性を高めておくのがポイント。ドレンワッシャーをつけて、ドレンボルトをトルクレンチで締めてオイルを抜く作業は終了。最後にオイルを規定量流し込み、オイル漏れがないかチェックをしてオイル交換は完了だ。