ネジや釘を使わないDIY
木材加工のDIYといえば、釘やねじを使って、木材同士を組み合わせていく方法が一般的ですよね。
しかし日本には、釘やねじなどを一本も使わない、木工技術があることをご存じでしょうか。
日本では古くから、木材加工による建築技術は盛んに行われていました。
日本の古い建築物の中には、釘やねじを一切使わず、組み立てられた構造物もあるんです。
ご存じの方も、いらっしゃるかと思いますが、日本には宮大工という職業が古くからあります。
このような組み木技術の多くは、こうした宮大工たちの技からきているものです。
日本の大工にも、このような技術が引き継がれており、DIYでもうまく利用すれば、釘を使わず丈夫な木材加工ができるんです。
相欠きとは
組み木の代表的な手法に、相欠きというものがあります。
初心者でも、比較的たやすく加工できるため、初めて組み木に挑戦される方にはおすすめの方法です。
相欠きとは、木材と木材を組み合わせる際、どちらの材も半分づつ欠きとって合わせる仕口のことなんです。
例えば、角材同士をクロスさせるとき、相欠きを使えば、凹凸のないきれいな十字木材に加工することができます。
組み木の優れた点は、釘を使わず強度を高くする事が可能です。
また、木材同士の組み合わせることにより、延長することも可能で、傷んだ部分などを取り除いて加工することもできます。
さらに、解体して再組み立ても可能で、木材が傷めないことも大きな利点です。
相欠き加工に必要な道具
相欠きを行う前に、まずは必要な工具類などをご紹介しておきます。
『ノコギリ』
・加工用の小型のタイプが向いています。
『丸ノコ』
・電動工具で、深さを正確に切る事に特化しています。
『ノミ+ハンマー』
・切り込み方など、小さな加工に向いています。
『ジグソー』
・電動工具で、小さな刃を動かしながら木材をカットでき、刃の種類を自由に変更できます。
『ペッカー』
・曲線を着る事に特化した、小型で細身のノコギリです。
『木工用ドリル』
・木材に穴を開けるのに特化した電動工具です。
ここにご紹介した、すべての工具が必要というわけではありません。
これらの工具を組み合わせて加工しますが、一番のおすすめは「丸ノコ+ノミ+ハンマー」の組み合わせです。
相欠き加工から組み立てまでのやり方
それでは、丸ノコ+ノミ+ハンマーの組み合わせで、相欠きを行っていきましょう。
まず初めは、丁寧な作業を心掛けることが大切です。
・木材に切り込みの線を鉛筆などで入れておく。
・線にそって、2㎜から3㎜感覚で、丸ノコの刃を入れていきます。
この時、丸ノコを動かしながら引き揚げると、キックバックを起こしにくいです。
・均等に刃を入れたら、切り込みを入れた部分をハンマーで、斜めに叩いて取り除きます。
・破片を取り除いたら、ノミで丁寧に平らになるよう加工します。
・同様にもう一つの木材を加工すれば、相欠きができるようになります。
・まず、サンドペーパーなどで切り込み面をならし、組む部分を金づちで軽く叩いて「木殺し」しておきます。
・組み立てる際には、当て木を用いて、木材にダメージを与えないよう組み立てましょう。